転職市場で自分の価値を見極める方法|スカウトの読み方と市場価値の上げ方

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「自分の市場価値って、実際どれくらいなんだろう」

転職を考え始めた人が最初にぶつかる問いです。そして多くの人が、この問いを頭の中の想像だけで済ませています。「大した経験がないから低いはず」と過小評価する人もいれば、「大手にいるから大丈夫」と過大評価する人もいます。どちらも危険です。

結論はシンプルです。市場価値は、市場に聞くしかありません。本記事では、コストの低い順に並べた市場価値の調べ方4つと、返ってきた反応の正しい読み方を、実体験をもとに解説します。

この記事を読んでわかること
  • 市場価値を自己評価で測ってはいけない理由
  • 市場価値の具体的な調べ方4つ(コストの低い順)
  • スカウトやオファーの数字に惑わされない読み方
こんな方に読んでほしい
  • 自分の市場価値を客観的に知りたい方
  • 転職するか決めていないが、現在地は把握しておきたい方
  • 市場価値の上げ方を知りたい方
目次

市場価値は「自己評価」では測れない

Photo by Siora Photography on Unsplash

なぜ想像で測ってはいけないのか。理由は、社内評価と市場評価がまったく別の物差しだからです。

社内で高く評価されるスキルには、その会社でしか通用しないもの(社内システムの熟知、独自プロセスの運用)が混ざっています。一方で、社内では当たり前すぎて評価されないスキル(資料の精度、調整力、報連相)が、市場では希少価値を持つこともあります。自己評価は社内の物差しでできているため、市場価値の推定には構造的に向いていないのです。

大企業勤務者の場合、この「見えないスキル」の存在が特に大きいことは、以下の記事で詳しく解説しています。

市場価値の調べ方4つ(コストの低い順)

Photo by Markus Winkler on Unsplash

調べ方は、手軽なものから本格的なものまで段階があります。低いコストから順に試してください。

①求人票と自分を突き合わせる(コスト:ゼロ)

転職サイトで、自分の職種・年齢層の求人を20件ほど眺めてみます。見るのは「応募要件」と「想定年収」です。要件を満たせる求人がどの年収帯に集まっているか。それがあなたの市場価値の最初のラフな地図になります。登録すら不要で、今夜からできます。

②スカウト型サービスに職務経歴書を置く(コスト:小)

ビズリーチなどのスカウト型サービスに職務経歴書を登録すると、市場の反応が向こうからやって来ます。どんな業界・職種・年収帯の企業が自分に興味を持つのか。自分では想像もしなかった方向からの反応も含めて、リアルなデータが集まります。

受け身で反応を待つだけなので、転職の意思が固まっていなくても使えます。「市場価値の定点観測ツール」として、転職しない人にこそおすすめです。

執筆者

私が市場価値を一番リアルに実感したのは、ビズリーチ登録時のスカウトでした。大手コンサルからたくさん届き、外資系企業の研究職からのオファーもありました。大量送信のスカウトは割り引いて見る必要がありますが、それでも「自分がどの圏内にいるか」は分かります。

③転職エージェントと話す(コスト:中)

エージェントは日々、あなたと似た経歴の人の「成約価格」を見ているプロです。面談で経歴を伝えると、想定年収のレンジ、需要のある業界、経歴の弱点を具体的に教えてくれます。スカウトが「広く浅い反応」だとすれば、エージェントは「深い個別査定」です。

④実際に選考を受ける(コスト:大、精度:最高)

最終的な答えは、選考が教えてくれます。書類の通過率、面接での手応え、そして提示されるオファー年収。ここまで来ると、市場価値は推定ではなく事実になります。

「転職を決めていないのに選考を受けていいのか」と思うかもしれませんが、問題ありません。選考は情報収集としても機能します。詳しくはこちらで解説しています。

スカウトとオファーの「読み方」

Photo by sue hughes on Unsplash

反応が集まったら、次は読み方です。数字を鵜呑みにすると、市場価値を読み違えます。

まず、スカウトには2種類あります。条件に合う人へ一斉送信される「テンプレート型」と、あなたの経歴を読み込んだ上で送られる「個別型」です。文面にあなた固有の経歴への言及があるかで見分けられます。テンプレート型の数は市場価値の証明にはなりませんが、ゼロではない意味があります。大量スカウトは「あなたが検索条件の圏内にいる」ことの証拠です。圏内か圏外か、まずそこが分かるだけでも収穫です。

オファー年収も同じです。提示レンジの上限は「最高の場合」であって約束ではありません。読み取るべきは1件の数字ではなく、複数の反応が示す「帯」です。帯の中央値あたりが、今のあなたの現実的な市場価値と考えるのが安全です。

市場価値を上げるのは「外から見える成果」

Photo by Giorgio Trovato on Unsplash

現在地が分かったら、次は上げ方です。ここで大切な原則があります。市場が評価するのは、肩書きや在籍年数ではなく、確認できる成果だということです。

同じ成果でも、「外から見える形」になっているかどうかで市場価値への効き方が変わります。実名で紹介された仕事、登壇や発表、社外に公開されたプロジェクト。こうした実績は、職務経歴書の自己申告と違って第三者が確認できるため、信頼性が桁違いです。

執筆者

私が市場で評価されたのは、前職で成果をきちんと出していたことでした。会社のWebサイトに顔写真つきで仕事が載っていたので、「ちゃんと仕事をしてきたこと」が外からも確認できた。これは大きかったと思います。

今の仕事で成果を出すことが大前提ですが、その成果を「見える形」にする機会(社内報、公式サイト、業界イベント、発信)があれば、積極的に手を挙げてください。それは自慢ではなく、未来の自分への投資です。

よくある質問

Q. 調べた結果、市場価値が低かったらと思うと怖いです

低かったとしても、それは「今の現在地」が分かっただけで、あなたの価値の最終評価ではありません。現在地が分かれば、何を積めば上がるかも具体的になります。一番危険なのは、低いかもしれない不安から目を逸らして、確かめないまま歳月が過ぎることです。

Q. スカウトサービスに登録すると、今の会社にバレませんか

主要なサービスには、特定の企業(自社やグループ会社)から自分の経歴を見えなくするブロック機能があります。登録時に必ず設定してください。加えて、職務経歴書に社名が特定される固有プロジェクト名を書きすぎない配慮も有効です。

Q. 年齢が上がると市場価値は下がる一方ですか

「ポテンシャル枠」の価値は年齢とともに下がりますが、「経験の掛け算」の価値はむしろ上がります。専門性×マネジメント、業界知識×新しい領域など、掛け算が利く経歴は年齢を重ねるほど希少になります。年齢そのものより、掛け算の材料を増やせているかが本質です。

まとめ

市場価値は想像で測るものではなく、市場に聞くものです。求人票との突き合わせ、スカウトサービス、エージェント、実際の選考。コストの低い順に試せば、転職の意思が固まっていなくても、現在地は確かめられます。

返ってきた反応は、1件の数字ではなく「帯」で読む。そして市場価値を上げたければ、成果を出し、それを外から見える形にする。現在地を知ることは、転職する人にもしない人にも、キャリアの地図を持つことと同じ意味があります。

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この記事を書いた人

現職:人事制度コンサルタント
京都大学卒業後、大手素材メーカーにて研究開発、マーケティング業務に従事。特許出願ならびに新事業の立ち上げに尽力。社内副業や希望異動も積極的に活用。
働く喜びを感じる組織、個性を伸ばす個人を実現するため、キャリアチェンジ。

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