大企業の給料に差がつかないのはなぜ?年功的な昇給の仕組みを人事目線で解説

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成果を出しても、出さなくても、給料はほとんど変わらない。大企業で働いていると、そんなもどかしさを感じることがあります。

「頑張っても報われないのでは」と感じると、やる気も続きません。

人事制度のコンサルタントとして制度を作る側から見ると、大企業の給料に差がつきにくいのには、はっきりした理由があります。そして、その仕組みは少しずつ変わり始めています。

この記事では、大企業の給料に差がつかない理由を、前職での実体験と人事制度の目線から解説します。

この記事を読んでわかること
  • 大企業の給料に差がつきにくい理由
  • 実際にどのくらい差がつくのか(前職の場合)
  • 年功的な仕組みが、どう変わり始めているか
こんな方に読んでほしい
  • 成果を出しても給料が上がらないと感じている方
  • 大企業の昇給の仕組みを知りたい方
  • 若いうちから実力で稼ぎたいと考えている方
目次

大企業の給料は、どう決まっているのか

まず、仕組みをそろえておきます。大企業の給料は、大きく「月々の給与」と「賞与(ボーナス)」に分かれます。

給料の部分決まり方差のつきやすさ
月々の給与等級と、毎年の昇給で決まるつきにくい
賞与会社の業績と、個人の評価で決まる多少つく
その他特許の報奨金など、成果に応じた手当成果によってはつく

月々の給与は、等級が上がるか、毎年の昇給で少しずつ上がります。この昇給に、ほとんど差がつかないのが大企業の特徴です。

前職では、どのくらい差がついたのか

実際にどのくらい差がつくのか、前職の場合を紹介します。

昇給は、ほぼ横並び

前職の人事制度は、若手のうちは毎年同じくらい昇給する前提で作られていました。たまに2段階昇給する人もいましたが、大部分の人には差がつきません。

賞与の査定の差は、5万円ほど

賞与には査定で差がつきます。ただ、私の場合、査定でついた差は5万円ほどでした。大幅に給料が上がる、という話は、私の周りでは聞いたことがありません。

執筆者

すべてを知っているわけではありませんが、私の場合、査定でついたのは5万円ほどでした。その程度の差です。

ただし、成果は細かいところで報われていた

一方で、特許の報奨金のように、成果に応じた細かい手当もありました。そうしたものも合わせると、成果はきちんと見てもらえている感覚がありました。

月々の給与には差がつかなくても、成果がまったく報われないわけではない、というのが実感です。

大企業の給料に差がつきにくい3つの理由

では、なぜ大企業の給料には差がつきにくいのでしょうか。理由は3つあります。

①経験を積まないと、力が上がらない仕事が多い

大企業の仕事の多くは、経験を積むことで少しずつ力がついていくものです。

そのため、経験の年数と、仕事の力がある程度そろって伸びていく前提で、給料も組み立てられています。

人事制度コンサルの視点

実際に経験しないと能力が上がらない、という部分は、どの仕事にもあります。その意味で、経験の年数に応じて給料が上がっていく仕組みには、仕方のない面もあると考えています。

②公平さと、安定を重視している

大企業の人事制度は、大勢の社員を公平に扱い、安定して働いてもらうことを重視して作られています。

大きな差をつけない代わりに、急に下がることもない。これは、会社の良し悪しではなく、制度の設計思想の違いです。

③制度は変わっても、運用は年功的なまま

最近は、多くの大企業で、年齢ではなく「役割」に応じて給料を決める仕組みへの見直しが進んでいます。

いわゆる「ジョブ型」と呼ばれる考え方です。その人が担っている仕事の役割や責任の大きさで、給料の幅を決めます。

ただ、制度が変わっても、実際の運用は年功的なままになっていることが少なくありません。

人事制度コンサルの視点

大企業の昇給は、年功的なものから、役割に応じたものへと少しずつ変わってきています。ただ、実際の運用は、まだ年功的になっていることが多いと感じています。

「年齢だけで上がる」時代は終わりつつある

ここまで「差がつかない」話をしてきましたが、変化も起きています。

年齢を重ねるだけで、給料が一緒に上がっていく、ということはなくなってきています。役割に応じた仕組みが広がれば、同じ年齢でも、担う役割によって給料に差がつくようになります。

人事制度コンサルの視点

年齢が上がっても、それだけで給料が上がる、ということはなくなってきていると考えています。

これからは、どんな役割を担っているかが、給料を左右するようになっていきます。

評価や昇格がどう決まるのかは、こちらで詳しく解説しています。

差がつきにくい環境で、どう考えるか

差がつきにくいことには、良い面と悪い面があります。

良い面悪い面
多少の不調でも、急に給料が下がらない若いうちに大きな成果を出しても、給料に反映されにくい
生活の見通しが立てやすい「この給料は手放せない」が判断を鈍らせやすい

若いうちから実力で差をつけたい人には、大企業の制度は構造的に向いていません。制度が変わるのを待つより、自分がどちらの設計に合うかで考える方が現実的です。

給料以外にも、成果は信頼や「どこでも通用する実績」として返ってきます。大企業で成果を出し、評価につなげる方法はこちらです。

大企業に留まるデメリットを、お金・仕事・つながりの3つで整理した記事もあります。

給料を上げたいなら、どうすればいいか

ここまで読んで、「では、どうすれば給料は上がるのか」と思った方も多いと思います。率直にお伝えします。

人事制度コンサルの視点

大企業の中で給料を上げる方法は、基本的にはないと考えた方がいいと思っています。とても大きな成果を上げれば、給料が上がる部分はあるかもしれません。

ただ、大企業の給料は、大きなビジネスの仕組みの上で成り立っています。給料を上げたいのであれば、副業をするのが一番いい方法だと考えています。

方法給料への効き方現実的か
昇格を待つ上がるが、年功的なので時間がかかる△
評価を上げる賞与に多少の差がつく程度△
とても大きな成果を出す上がる部分はある△(一部の人に限られる)
副業をする会社の仕組みの外で、収入を足せる◎
転職する上がることも、下がることもある◯(条件次第)

一番の近道は、副業

会社の給料の仕組みは、個人の力ではまず変えられません。それなら、仕組みの外で収入を足す方が、ずっと早く確実です。

私自身、前職にいた頃からブログとYouTubeの副業を始めていました。収入だけでなく、自分で決めて動く力が身についたことも大きかったです。

副業や社外での活動の始め方は、こちらで紹介しています。

転職は、上がることも下がることもある

転職で給料が上がることもありますが、大企業からの転職では、下がることも少なくありません。私も、転職で年収は150万円ほど下がりました。

給料だけを理由に転職するなら、住宅補助や退職金まで含めて比べることが欠かせません。

まとめ

大企業の給料に差がつきにくいのは、制度の設計思想によるものです。

  • 月々の給与は、昇給がほぼ横並び。差がつくのは主に賞与で、前職では5万円ほどだった
  • 特許の報奨金など、成果が細かいところで報われる仕組みはある
  • 差がつきにくいのは、経験とともに力が伸びる前提や、公平さと安定を重視しているから
  • 仕組みは年功から役割に応じたものへ変わり始めている。ただし運用はまだ年功的

「頑張っても報われない」と嘆くより、仕組みを知ったうえで、自分に合う場所を選ぶこと。それが、納得できるキャリアへの近道です。

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この記事を書いた人

現職:人事制度コンサルタント
京都大学卒業後、大手素材メーカーにて研究開発、マーケティング業務に従事。特許出願ならびに新事業の立ち上げに尽力。社内副業や希望異動も積極的に活用。
働く喜びを感じる組織、個性を伸ばす個人を実現するため、キャリアチェンジ。

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